チャンピオンズ
次世代を担う天才児、ジョームトーン・チューワッタナ
ジョームトーン・チューワッタナ
JOMTHORNG CHUWATTANA
1989年7月28日生まれ。19歳
本名・タナーコン・パワチャート
WBCムエタイ世界フェザー級王者
ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフェザー級王者
″ムエタイの天才児″の名をほしいままにする男--それがジョームトーン・チューワッタナだ。
9歳からムエタイを始めたジョームトーンが初めてムエタイのメジャータイトルを獲得したのは弱冠15歳の時だった。
「でも、チャンピオンになった直後はやる気がなくなって怠け者になっていた時期もありましたね。3連敗を喫した時にはムエタイを辞めて田舎に帰りたくなりました。いまよりもっと子供だったんでしょうね。
最近は自主的にやる気を持って練習に取り組むようにしています」
ムエタイの本場タイではシーソーゲームが一番ファンに好まれる。大差より僅差の攻防が好まれるのだ。よってチャンピオンも常勝は難しい。王者であるジョームトーンが敗北を喫しても何ら不思議はない。選手層がとてつもなく厚いムエタイの中で、チャンピオンもランカーも実力はほとんど一緒なのだ。
案の定、日本では天才児と呼ばれていますが,と水を向けると、ジョームトーンは即座に否定した。
「間違っても自分が天才だなんて思っていません。ムエタイには強い選手がたくさん揃っているから、努力が一番大切ですよ」
現在、ジョームトーンはラジャダムナンスタジアム認定のスーパーフェザー級王座を保持している。スタジアムではアヌワットと人気を二分するほどのスター選手だ。しかし意外にも海外遠征の経験は一度のみ(04年11月6日・九州 VS菊地剛介)。今後、海外でも積極的に試合したいと言う。
「ラジャダムナンやルンピニーが認定するのはナショナルタイトルだけど、WBCムエタイのそれは世界タイトル。個人的にはWBCムエタイの世界チャンピオンになって、もう一度日本に行ってみたい」
このインタビュー後、ジョームトーンは7月にアヌワット・ゲオサムリットの持つ、世界タイトルに挑戦して見事に奪取した。